数学の偏差値を10上げた勉強法【実践した3つのことだけ変えた】


友人が数学の偏差値を10上げた話を聞いた

千葉大学(理系)に通っている友人が、受験期に数学の偏差値を10以上上げた経験を持っています。先日「どうやって上げたの?」と聞いたところ、「特別なことは何もしていない。やり方を3つ変えただけ」という答えが返ってきました。

友人いわく「センスが急についたわけじゃなくて、今まで当たり前だと思っていた勉強のやり方が実は間違っていた、と気づいた。やり方を変えたら次の模試から上がり始めた」とのことです。

この記事では、その友人から聞いた具体的な方法を3つに絞って紹介します。どんな参考書を使っている受験生にも適用できる話なので、「今まで頑張っているのに数学だけ伸びない」という受験生にぜひ読んでみてほしいです。


変えたこと①:「解答を見て終わり」をやめた

最大の失敗はここにあった

数学の勉強で最も多くの受験生が陥る失敗が「解答を見て理解したつもりになって次の問題に進む」ことです。友人も最初はこれをやっていたと言っていました。問題を解く→解けない→解答を読む→「なるほど」→次の問題へ。この繰り返しをしていたので、問題集を1周しても全然力がついていなかったとのこと。

問題集を1冊終えた後でも、「全部自力で解けるか」と聞かれると、解けない問題がたくさんある。「問題集をやったのに解けない」という悩みの根本原因はほぼ全員ここにあります。

「解答を見て理解できる」と「自力で解ける」は全然違います。解答を読んで「なるほど」と思っても、翌日に同じ問題を解こうとすると手が止まる——この経験に心当たりがある人は多いはずです。

解答を閉じて解き直す

やり方を変えた最初の一手は「解答を見て理解したら、解答を閉じて白紙にもう一度解き直す」ことです。これだけです。

解答を閉じて最初から解き直してみると、「わかったつもりだったけど実は手が動かない」箇所が必ず出てきます。手が止まった箇所が「本当は理解できていなかった部分」です。そこを再度解答で確認して、また閉じて解き直す。これを「自力でスラスラ書ける」状態になるまで繰り返します。

「解答を閉じて解き直す」という作業は地味で面倒ですが、これが数学の実力をつける最も確実な方法です。問題集の種類や参考書の選択より、この1ステップを追加するかどうかの方が、成績への影響がずっと大きいと実感しました。

この1ステップを追加するだけで、同じ問題集を使っていても到達できるレベルが大きく変わります。

最初は「解き直しに時間がかかりすぎる」と感じるかもしれません。でも、時間がかかっているのは「理解が浅いから」です。解き直しに時間がかかる問題こそ、本当に理解できていない問題です。時間がかかる問題を何度も解き直すことが、実力をつける最短ルートです。

解き直しはその日だけでは不十分です。翌日、何も見ずに同じ問題をもう一度解いてみましょう。「昨日解けた問題が今日も解けるか」を確認することで、解法が短期記憶から長期記憶に移っているかどうかがわかります。翌日また手が止まる場合は、まだ定着していないサインです。また解答を確認して、もう一度解き直す。この繰り返しで、解法が「見たら即座に思い出せる」状態になっていきます。


変えたこと②:「なぜこの方針で解くのか」を考えるようにした

解法の「手順」ではなく「理由」を覚える

友人が偏差値が上がる前にやっていたのは、解法の「手順」を覚えることへの集中でした。「因数分解して、移項して、両辺を2乗して」という手順の記憶です。でもこれだと、問題の形が少し変わると全く対応できなくなる。

やり方を変えたのは、解法の「手順」より「なぜこの方針で解くのか」の理由を理解することに集中し始めてからだと言っていました。「この問題では、なぜ因数分解を最初に試みるのか」「なぜここで文字を置き換えるのか」という「方針の理由」を理解することで、初見の問題でも「こういう形の問題にはこういうアプローチを試す」という判断力が身につきます。

問題を見たとき「どのアプローチを選ぶか」を意識する

問題を解くとき、いきなり計算を始めるのではなく「この問題ではどのアプローチを使うか」を先に考える習慣をつけましょう。

たとえば確率の問題なら「全事象を数えるか、余事象を使うか」、微積分なら「増減表を使うか、面積を直接求めるか」という選択肢を意識的に考えてから解き始める。この習慣が身につくと、解法の選択ミスが減り、問題に対するアプローチの引き出しが増えていきます。

解答の「指針(CHART)」やチャート式の「精講」コーナーは、まさにこの「方針の理由」が書いてある部分です。解答を読むとき、答えの部分より「なぜこの方針なのか」の部分を重点的に読む習慣をつけましょう。


変えたこと③:苦手分野を「その週のうち」に潰すようにした

苦手の先送りをやめた

友人の話では、以前は苦手な単元(確率・数列・ベクトルが特に苦手だったとのこと)を「後でまとめてやろう」と先送りにしていたそうです。でも入試直前になっても「後で」は来なかった。先送りにした分野は入試本番でも解けないまま終わったと言っていました。

数学の苦手分野の先送りは「後でやる」ではなく「永遠にやらない」になりがちです。後回しにしている限り、苦手は改善されません。「気づいたその週に補強する」という強制力を自分に与えることが、先送りを防ぐ唯一の方法です。

やり方を変えたのは「苦手に気づいたらその週のうちに補強する」というルールを自分に課してからだと言っていました。問題集で特定の分野が解けなかったら、その週の勉強時間の一部をその分野の補強に当てる。この小さなルールが、苦手分野を放置しないための習慣になりました。

苦手分野を補強するには「基礎問題精講で該当分野だけを集中的に解く」が最も効率的でした。苦手な確率が出てきたら、確率の問題だけを問題集から抜き出して、基礎から集中的に解く。分野を絞って集中するので、広く浅く全分野をやるより短時間で苦手が改善できます。


数学の偏差値が上がらない本当の理由

「量をこなしている」のに伸びない場合

数学の問題集をたくさん解いているのに偏差値が上がらない受験生の多くは「解答を見て終わり」の習慣が原因です。問題の数をこなすことより、1問を完全に自分のものにすることの方が重要です。

1日5問を「解答を閉じて解き直すまで」完璧にする人の方が、1日20問を「解答を見て終わり」にする人より確実に伸びます。量より質、を数学ほど強く実感できる科目はありません。

ただし「量は関係ない」という意味ではありません。1問を完璧に仕上げた上で、数をこなしていくことが理想です。まず「解答を閉じて解き直す」という質を担保した上で、問題の数も増やしていく、という順番が重要です。

「解説を読めば理解できるが自力では解けない」という状態が続いている場合は、アウトプットの練習が不足しています。解答を見て理解した後、必ず「解答を閉じて解き直す」ステップを加えましょう。「解答を読む時間」より「解答を閉じて解き直す時間」を多く取るくらいの意識でいるといいです。

「苦手分野がある」のに伸びない場合

数学は積み上げ型の科目なので、特定の分野の穴がそのままになっていると、その分野が関係する問題全体で点が取れません。「確率が苦手なまま」にしておくと、確率が絡んだあらゆる問題で失点します。

苦手分野は後回しにせず、その週のうちに潰す習慣を作りましょう。

模試で苦手分野が見えたとき、「次の模試までに補強しよう」と思っても、具体的な行動に落とし込まないと実行されません。「今週の土曜日に確率を3時間集中してやる」という具体的な予定を立てることが、先送りを防ぐ方法です。


実践するための具体的なスケジュール

1週間の数学の組み立て方

偏差値を上げるために実践した1週間の組み立てを紹介します。

月〜金の平日は、問題集から3〜5問を選んで「解答を閉じて解き直す」まで完全に仕上げる。1問あたり15〜20分かかることもありますが、中途半端に10問こなすより確実に力がつきます。

土曜日は、平日に解けなかった問題をまとめて解き直す。「先週解けなかった問題が今日も解けないか」を確認する日にします。解けるようになっていれば成長の証拠で、まだ解けなければもう一度解き直す。

日曜日は、苦手分野の補強か模試・共通テストの演習に使う。苦手分野がある週はそちらを優先します。

1問に使う時間の目安

基礎的な問題集(基礎問題精講など)の段階では、1問に5〜10分考えて解けなければ解答を見てOKです。解答を見て理解したら閉じて解き直す。この処理で1問あたり15〜30分かかります。

標準的な問題集(1対1対応の演習など)の段階では、15〜20分は粘って考えることが重要です。考える時間が「応用力」を鍛えるので、すぐに解答を見ないようにしましょう。


よくある疑問Q&A

Q. これだけで偏差値が上がりますか?

やり方を変えただけで偏差値が上がった実感はありました。ただし「続けること」が前提です。1週間試して効果が出なければ諦めるのではなく、最低1〜2ヶ月は続けてみてください。数学は短期間で劇的に変わる科目ではありませんが、正しい方法を続ければ必ず伸びます。

Q. 偏差値を10上げるのにどのくらいかかりますか?

個人差がありますが、毎日続けた場合、2〜3ヶ月後の模試で変化を感じ始める受験生が多いです。すぐに結果が出ないからといってやり方を変えるのではなく、信じて続けることが大切です。

「まだ結果が出ていない」のは「やり方が間違っている」のではなく「まだ時間が足りていない」だけのことが多いです。少なくとも2〜3ヶ月は同じやり方を続けてから判断しましょう。

Q. 数学の偏差値が40台から上げるには何が必要ですか?

まず中学数学の穴を確認することです。高校数学が全然わからない状態は、多くの場合中学数学に穴がある状態です。「やさしい高校数学」→基礎問題精講の順で進めながら、この記事で紹介した3つのやり方(解き直し・方針の理由を考える・苦手をその週に潰す)を実践してください。


まとめ

偏差値を上げるためにやり方を変えた3つのことをまとめます。

  • 解答を見て終わりにしない:解答を理解したら閉じて解き直す。翌日にも同じ問題を解いて定着を確認する。
  • 解法の「手順」より「理由」を理解する:「なぜこの方針で解くのか」を意識することで、初見の問題への対応力がつく。
  • 苦手分野をその週のうちに潰す:先送りにせず、苦手に気づいたらすぐに集中補強する。

これらは全部、今日から始められることです。参考書を買い足す必要も、塾に通う必要もありません。今持っている問題集と今日から始める習慣だけで、数学の偏差値は変わります。

この3つは特別な参考書を買う必要もなく、今日から始められることです。まず「解答を閉じて解き直す」1ステップを今日から追加してみましょう。それだけで1ヶ月後の自分の数学力は変わっているはずです。

「センスがないから無理」と思っている受験生へ。数学のセンスとは、結局のところ「解法の引き出しの多さ」と「引き出しを適切に選ぶ経験の量」です。どちらも正しい方法で練習すれば身につきます。センスは生まれつきのものではなく、正しいやり方の積み重ねで後天的に身につくものです。

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