大学受験の英語長文読解が苦手な人がやるべき3つのこと【参考書も紹介】


長文になると途端に読めなくなる、その原因はほぼ決まっています

「単語は覚えてる。文法もそこそこやってる。でも長文になると全然読めない」——これ、受験生から一番よく聞く悩みです。

長文が読めない原因は、長文の練習量が足りないのではなく、長文を読む前の段階に問題があることがほとんどです。単語・文法・英文解釈という土台が固まっていない状態でいくら長文を読んでも、感覚読みの域を出ない。「なんとなく読めた気がする」のに設問で外す、あのもどかしさはここから来ています。

この記事では、長文読解が苦手な受験生がやるべきことを3つに絞って解説します。長文の問題集選びに迷っている人向けに、おすすめ参考書もレベル別に紹介します。


長文読解の勉強を始める前に確認すること

長文読解に必要な力は4つ

長文読解の点数が伸びない受験生の多くは、4つの力のどれかが抜けています。

①語彙力:単語・熟語の意味がわかること。知らない単語が多すぎると、そもそも読み進められません。

②文法力:文の構造を理解する力。文法が曖昧だと、複雑な構文が出てきたときに詰まります。

③英文解釈力:1文を正確に読み解く力。長文はあくまで1文の積み重ねなので、1文を正確に読めなければ全体の意味も取れません。

④論理読解力:文と文のつながりや、段落の論理構成を把握する力。設問を解くためには、文章全体の流れを掴むことが必要です。

①〜③の土台なしに④だけを鍛えようとしても、砂上の楼閣です。まず自分はどこが弱いかを確認してから取り組みましょう。

長文読解の勉強を始めていいタイミング

長文読解の本格的な演習を始めるのは、次の状態になってからが理想です。

  • 英単語帳を1冊ひと通り終えている
  • 英文法の基礎(大岩のいちばんはじめの英文法など)が終わっている
  • 英文解釈の入門書を1冊終えている

「全部完璧になってから」では遅すぎますが、何も固まっていない状態で始めても非効率です。おおよそこの3つが揃ったら、長文演習をスタートさせましょう。どうしても覚えられない単語などは、長文の中で出てくると記憶に残りやすいので、単語帳だけで暗記しようとするのはもったいないです。


長文読解が苦手な人がやるべき3つのこと

①英文解釈で「1文を正確に読む」力をつける

長文が読めない受験生の大半は、英文解釈をちゃんとやっていません。

英文解釈とは、英文の文法・構文を意識しながら1文を正確に訳す練習のことです。関係代名詞・分詞構文・倒置などの複雑な構文が絡んできたとき、フィーリングで読んでいる人は必ず詰まります。

「SVOCを意識して1文を丁寧に読む」という習慣を英文解釈でしっかり鍛えておくと、長文の中で複雑な文が出てきても慌てなくなります。(これを飛ばして長文問題集だけやり続けた人が、なかなか伸びないんです。)

英文解釈の入門としては「大学入試 肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編」が使いやすいです。難しい文法用語を避けながら、読むための文法を丁寧に解説してくれます。

②精読で「完全に理解した長文」を増やす

長文の勉強法には「精読」と「速読」の2種類があります。

精読:1つの文章を時間をかけてでも完全に理解する練習。単語・構造・内容の全てを確認し、訳と照らし合わせて読めなかった部分を分析します。

速読:時間制限の中で読むスピードを上げる練習。

順番は必ず精読が先です。精読で「1文1文を正確に理解する」ことが自動化されてきて初めて、速読が意味を持ちます。速読は精読の延長線上にあるもので、精読なしで速読だけ練習しても「雑に読むのが速くなるだけ」です。(これ、意外とやりがちなので注意してください。)

③解いたあとの「復習」に時間をかける

長文の勉強で一番差がつくのは、実は「解いた後」です。

多くの受験生は問題を解いて答え合わせをしたら次の問題へ進みますが、それでは伸びません。長文の復習で必ずやるべきことは次の3つです。

復習ステップ①:全文の訳を確認する 問題を解いた後、解説の訳と自分の読み方を照らし合わせます。「なんとなく読んでいた」部分が必ず見つかるはずです。

復習ステップ②:読めなかった文を分析する 意味が取れなかった文は「なぜ読めなかったか」を必ず分析しましょう。単語が足りないのか、構文が取れていないのか、原因によって次にやることが変わります。

復習ステップ③:音読する 復習の仕上げとして、正しい意味を理解した状態で音読を繰り返しましょう。意味を意識しながら音読することで、読むスピードと定着率が同時に上がります。音読は地味ですが、続けている人と続けていない人の差は大きい。


レベル別おすすめ長文読解参考書

大学入試 英語長文ハイパートレーニング(桐原書店)

対象レベル:偏差値45〜60 / 共通テスト〜MARCH

長文読解の入門〜標準レベルとして定番の問題集です。レベル1(超基礎編)・レベル2(標準編)・レベル3(難関編)の3段階に分かれており、自分のレベルに合ったところからスタートできます。

特徴は解説の充実度。単語・構文・訳が全てセットになっており、問題を解いた後の復習がしやすい構成です。長文読解を初めて本格的に勉強する人にはここから始めるのがおすすめです。

こんな人におすすめ

  • 長文読解の演習をこれから始める人
  • 偏差値45〜55で、まず基礎的な長文に慣れたい人
  • 解説が充実した問題集で丁寧に復習したい人

関正生の英語長文ポラリス(KADOKAWA)

対象レベル:偏差値50〜70 / 共通テスト〜早慶(レベルによる)

スタディサプリの関正生先生が手がけた長文問題集で、1・2・3のレベルに分かれています。「フィーリングに頼らず論理的に読む」ことを徹底して教えてくれる構成で、解説が非常に丁寧です。

最新の入試傾向に沿った問題が厳選されており、問題数は多くないぶん1問1問をじっくり復習できる設計になっています。英語長文ハイパートレーニングで基礎を固めた後のステップアップとして使いやすいです。

  • ポラリス1:共通テスト・日東駒専レベル
  • ポラリス2:MARCH・関関同立レベル
  • ポラリス3:早慶・難関国公立レベル

こんな人におすすめ

  • 基礎的な長文は読めるが、設問で外すことが多い人
  • 論理的な読み方を身につけたい人
  • スタディサプリを使っていて、関先生のスタイルに慣れている人

やっておきたい英語長文シリーズ(河合出版)

対象レベル:偏差値55〜70 / MARCH〜早慶・難関国公立

「やっておきたい英語長文300・500・700・1000」と語数別に分かれた定番問題集。長年にわたって多くの受験生に使われてきた信頼性の高いシリーズです。

収録されている英文の質が高く、解説も丁寧。特に500・700は難関私大・国公立大を目指す受験生の仕上げ用として定番です。(受験生の間では「やておき」という略称で呼ばれているくらい有名です。)

こんな人におすすめ

  • 偏差値55以上で、演習量を増やして仕上げたい人
  • MARCH以上の私大・国公立を目指している人
  • 定番問題集で安心して演習を積みたい人

関正生のThe Rules 英語長文問題集(旺文社)

対象レベル:偏差値50〜70 / 共通テスト〜難関国公立(レベルによる)

「英文を読むルール」を明示して解説してくれる問題集です。なぜその答えになるのか、どう考えれば正解に辿り着けるのかを、論理的なルールとして示してくれます。

1〜4のレベルに分かれており、それぞれ共通テスト・難関私大・国公立・最難関に対応。「感覚で解いているから安定しない」という受験生に特に向いています。

こんな人におすすめ

  • 答えを感覚で出してしまい、根拠が言えない人
  • 読み方のルールを明確に教えてほしい人
  • 安定した得点力を身につけたい人

志望校別:参考書の組み合わせ

志望校ステップ1ステップ2仕上げ
日東駒専・成成明学英語長文ハイパートレーニング レベル1〜2関正生の英語長文ポラリス1
MARCH・関関同立英語長文ハイパートレーニング レベル2関正生の英語長文ポラリス2やっておきたい英語長文500
早慶・難関国公立関正生の英語長文ポラリス2やっておきたい英語長文700関正生の英語長文ポラリス3
東大・京大関正生の英語長文ポラリス2〜3やっておきたい英語長文700〜1000志望校過去問

長文読解の勉強でよくある失敗パターン

失敗①:問題数をこなすことを目的にしてしまう

「今日は長文3本読んだ」という達成感は危険です。数をこなすことに意識が向くと、文章をなんとなく流し読みする癖がつきます。1本の長文をしっかり復習する方が、10本をなんとなく解くより遥かに力がつきます。

失敗②:難しい問題集から始めてしまう

「MARCHを目指しているからMARCHレベルの問題集をやらなきゃ」という発想は危険です。今の実力よりはるかに難しい問題集を使うと、解けない問題ばかりで消化不良になり、モチベーションも下がります。必ず今の実力に合ったレベルから始めましょう。

失敗③:音読をさぼる

復習の音読は地味で面倒くさい。だからやらない人が多い。でも正しい意味を理解した状態で音読を繰り返すことが、読むスピードと定着率を上げる最も効果的な方法の一つです。ちゃんとやっている人とやっていない人の差は、じわじわ開いていきます。

失敗④:わからない単語が多いのに長文演習を続ける

長文を読んでいてわからない単語が1段落に5語以上あるなら、長文演習よりも単語の強化を優先すべきです。単語力がないまま長文を続けても、辞書を引きながら読むだけで読解力は全く鍛えられません。


よくある疑問Q&A

Q. 長文の前に英文解釈は必ずやらないといけませんか?

必須ではありませんが、やることを強くおすすめします。英文解釈なしで長文演習だけ続けると「なんとなく読める」状態で止まり、複雑な文が出るたびに詰まります。英文解釈は1冊薄めのものでいいので、長文の前に挟みましょう。

Q. 長文を読むのが遅くて時間が足りません

それは精読の練習不足か、単語・文法の定着不足が原因です。速読の練習よりも先に、精読で1文を確実に読む力をつけましょう。精読が自動化されてくると、自然と読むスピードは上がります。意識的に「速く読もう」とするより先に、「正確に読む」を徹底してください。

Q. 同じ問題集を何周もすべきですか?

長文問題集は単語帳と違い、何周も繰り返す必要はありません。1度解いた問題を完璧に復習(全訳確認・構文分析・音読)して、次の新しい文章に進む方が効率的です。同じ文章を何度も読むより、新しい文章に触れる量を増やしましょう。

Q. 英語が苦手でも長文読解はできるようになりますか?

なります。ただし、いきなり長文から練習しようとするのではなく、単語・文法・英文解釈という順序を踏まえることが条件です。土台なしに長文に挑んでも伸びないのは仕組み上当たり前なので、焦らず順番通りにやりましょう。


まとめ

長文読解が苦手な受験生がやるべきことは次の3つです。

①英文解釈で1文を正確に読む力をつける ②精読で「完全に理解した長文」を増やす ③解いた後の復習(全訳確認・構文分析・音読)を徹底する

長文は問題数をこなせばいいわけではありません。1本の長文をどれだけ深く理解して復習できるかが、伸びる受験生とそうでない受験生を分けます。

参考書はまず今のレベルに合ったものを1冊選んで、復習まで丁寧にやり切ることを優先してください。このサイトでは英文解釈・英単語・英文法についても詳しく解説しているので、土台が気になる人はそちらも合わせて読んでみてください。

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