リスニングって、直前に詰め込めばなんとかなると思っていませんか?
英語の勉強をしていると、リスニングは後回しにしがちです。「単語と文法を固めてから」「長文が読めるようになってから」——そう思っているうちに気づいたら本番直前、という受験生をたくさん見てきました。
リスニングは他の分野と違い、短期間での急成長が最も難しい分野です。直前に詰め込んでどうにかなるものではありません。逆に言えば、早めにコツコツ続けた人が圧倒的に有利になる分野でもあります。
この記事では、共通テストと私大・国公立それぞれの対策に分けて、リスニングの勉強法を解説します。
まずリスニングが苦手な理由を理解する
リスニングが聞き取れない3つの原因
リスニングが苦手な受験生の多くは、次の3つのどれかが原因です。
原因①:単語・文法の土台が足りない 音は聞こえているのに意味がわからない、という状態です。これは語彙力・文法力の問題で、リスニングの練習をいくらしても解決しません。まず単語と文法の基礎を固めることが先決です。
原因②:英語の「音」に慣れていない 知っている単語なのに聞き取れない、という状態です。英語では複数の音がつながる「リンキング」や、音が省略される「リダクション」が頻繁に起こります。例えば “want to” は「ウォントゥ」ではなく「ワナ」のように聞こえます。知識として知っている単語でも、実際の音と結びついていないと聞き取れません。
原因③:日本語に訳しながら聞いている 英語を聞きながら頭の中で日本語に訳そうとすると、次の音声についていけなくなります。英語は英語の語順のまま理解するトレーニングが必要です。
自分がどの原因に当てはまるかを把握してから対策を始めましょう。
リスニング力は「読む力」と連動している
よく「リスニングはリスニングだけ練習すればいい」と思われがちですが、実はそうではありません。英文を読んで理解できないものは、聞いても理解できません。
リーディングと並行してリスニングを鍛えることで相乗効果が生まれます。逆に言えば、長文読解の勉強がリスニング力の底上げにもなります。両方をバランスよく進めていくのが、最も効率的な英語学習です。
リスニングの基本的な勉強の流れ
ステップ1:単語・文法の土台を固める
リスニングに特化した勉強を始める前に、まず単語帳を1冊ある程度仕上げ、基本的な文法を固めておきましょう。土台なしにリスニングの練習をしても、音だけ追いかけて意味が入ってこない状態が続きます。
ステップ2:音読で「英語の音」に慣れる
単語・文法の基礎が固まってきたら、音読を習慣にしましょう。
音読が大切な理由は「自分で発音できない音は聞き取れない」からです。正しい発音を知らないまま聞いても、脳が音として認識できません。単語を覚えるときも、必ず音声と一緒に覚える習慣をつけましょう。
具体的には、まず音声を聞きながらスクリプトを目で追う「オーバーラッピング」から始めます。口が動くようになってきたら、スクリプトを見ずに音声の後を追いかけて読む「シャドーイング」に挑戦しましょう。シャドーイングは最初はかなりきつく感じますが、続けることで英語の音とリズムが自然と身につきます。(私の友達は通学中ずっとシャドーイングをやり続けていて、気づいたらリスニングが得意になっていたと言っていました。)
ステップ3:毎日継続して耳を慣らす
リスニングは毎日続けることが全てです。週に一度まとめてやるより、毎日10〜15分続ける方が圧倒的に効果的です。
教材は何でも構いません。単語帳の音声、長文参考書の付属音声、共通テストの過去問——継続できるものを選びましょう。「英語を聞く時間」を毎日のルーティンに組み込むことが大切です。
ステップ4:問題演習と復習
ある程度耳が慣れてきたら、実際の問題形式で練習します。解いた後の復習が最も重要で、聞き取れなかった部分を何度も聴き直し、スクリプトで確認し、なぜ聞き取れなかったかを分析して、最後に音読する——このサイクルを徹底してください。「解きっぱなし」は絶対にNGです。復習なしに問題数だけこなしても、リスニング力はほぼ伸びません。
共通テストのリスニング対策
共通テストリスニングの特徴
共通テストのリスニングは、ただ英語を聞き取る力だけでなく「情報処理力」が問われます。図表やイラストを見ながら音声を聞き、複数の情報を組み合わせて答えを導く問題が多く出題されます。音声を聴くだけでなく、問題冊子の情報を素早く整理する力が必要です。
また、第1問・第2問は2回読まれますが、第3問以降は全て1回読みです。聞き逃したら取り返しがつかないので、集中力を最後まで切らさないことが最重要です。さらにアメリカ英語だけでなく、イギリス英語や非ネイティブの話者による音声も出題されるため、様々な発音に慣れておくことが大切です。
共通テストリスニングの解き方のコツ
最も重要なのが「先読み」です。音声が流れる前の時間を最大限活用して、選択肢と設問に目を通しましょう。「何について問われるか」を事前に把握することで、必要な情報だけを集中して聞けます。第1問・第2問が2回読みの間に、第3問以降の選択肢を先読みしておくのが効果的です。
また、全ての単語を完璧に聞き取ろうとする必要はありません。数字・固有名詞・繰り返し出てくる語句など、答えに直結しそうなキーワードを拾う練習をしましょう。図表を使った問題では、音声が流れる前に図表の内容を把握して、何が変数になっているかを確認しておくと、聞き取りに集中できます。
共通テストのリスニング対策スケジュール
高1・高2の段階では毎日の音読と単語帳の音声を聞く習慣をつけるだけで十分です。本格的な共通テスト形式の演習は高3の9月以降から始め、11月〜本番にかけて過去問・予想問題を繰り返し解く流れが理想です。
リスニングは直前に急に伸ばせる科目ではないので、遅くとも高3の春には毎日英語を聞く習慣を作っておきましょう。
難関私大・国公立のリスニング対策
共通テストとの違いを把握する
早慶・上智・ICUなどの難関私大や多くの国公立大学では独自のリスニング問題が出題されます。共通テストとの主な違いは、英文のレベルが高く語彙が難しいこと、英文が長い傾向があること、大学によって形式が大きく異なること(ディクテーション・内容説明・記述など)の3点です。
特に早慶・上智のリスニングは共通テストとは別物と考えた方がよいです。大学ごとの傾向を過去問で必ず確認しておきましょう。
難関私大・国公立のリスニング勉強法
まずは共通テスト対策を通じてリスニングの基礎を固めてから、志望校の過去問に取り組むのが基本的な流れです。
難関私大では語彙レベルが高いため、単語帳を2冊目まで仕上げておく必要があります。聞き取れても意味がわからなければ解けません。また共通テストより長い英文を集中して聞き続ける「リスニング体力」も必要です。ポッドキャスト・TED・英語ニュースなど、長めの英語音声を日常的に聞く習慣を作りましょう。
国公立大の二次試験では英文が長く内容も学術的なテーマが多いのが特徴です。共通テストの対策だけでは不十分なことが多いので、志望校の過去問で傾向を確認し、必要であれば専用の問題集を使って練習しましょう。
おすすめ参考書
きめる!共通テスト英語リスニング(学研)
共通テスト形式の問題が豊富で、先読みのやり方など実践的なコツも解説されています。形式への慣れとコツの習得を同時にできる一冊です。共通テストのリスニングに特化して対策したい人におすすめです。
共通テスト予想問題集(各予備校)
河合塾・Z会・駿台など各予備校から毎年出ており、本番に近い難易度・形式で練習できます。11月以降に週1〜2回のペースで解くのがおすすめです。
大学入試 肘井学のゼロから英語リスニングが面白いほどわかる本(KADOKAWA)
リスニングの基礎から丁寧に解説してくれる参考書です。共通テストだけでなく私大・国公立のリスニングにも対応しています。リスニングが苦手で基礎からやり直したい人に向いています。
よくある疑問Q&A
Q. リスニングはいつから始めればいいですか?
今すぐ始めてください。リスニングは継続がすべてで、始めるのが早ければ早いほど有利です。高1・高2のうちは毎日単語帳の音声を聞くだけでも十分です。「本格的な勉強が始まってから」と後回しにした結果、直前になって焦るのが最もよくあるパターンです。
Q. シャドーイングが難しくてついていけません
最初は全くついていけなくて当然です。まずは音声を聞きながらスクリプトを目で追うオーバーラッピングから始めましょう。スクリプトを見ながらでも口が動くようになってきたら、スクリプトなしのシャドーイングに挑戦してください。
Q. 毎日何をすればいいですか?
まず単語帳の音声を聞きながら単語を確認する習慣を作りましょう。それだけで語彙と発音を同時に鍛えられます。慣れてきたら長文参考書の付属音声を使った音読・シャドーイングを加えていきましょう。問題演習は高3の秋以降で十分です。
Q. リスニングが伸びているか実感できません
リスニングは伸びを実感しにくい分野です。ただ毎日続けていれば必ず伸びています。模試のリスニングスコアを定期的に確認して、数ヶ月単位で成長を確認しましょう。1〜2週間で成果を求めるのは無理なので、長い目で見てください。
まとめ
大学受験のリスニング対策は、毎日続けた人が勝つ分野です。
- リスニングは短期間では伸びない。早めに毎日の習慣を作ることが全て
- まず単語・文法の土台を固めてから、音読・シャドーイングで耳を鍛える
- 共通テストは「先読み」と「情報処理」が鍵。形式への慣れも重要
- 私大・国公立は大学ごとに形式が異なる。過去問を早めに確認する
- 問題演習後の復習(聴き直し・スクリプト確認・音読)を徹底する
今日から10分でいいので、英語を聴く時間を作りましょう。
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