英文法はそこまで勉強しなくていいとか思ってませんか?
「英単語は毎日やってる。長文もそこそこ読める。でも英文法の問題になると途端に点が取れなくなる」 こういう受験生、めちゃくちゃ多いです。(私が英語苦手だった理由も文法でした。)
英文法は「なんとなくわかる」と「ちゃんと使える」の間に大きな壁があります。授業で一度聞いたことがあるし、なんとなく雰囲気で解いてきた。でも実際に問われると「あれ、これどっちだっけ?」となる。これは理解ではなく、なんとなくの暗記で乗り切ってきた証拠です。
英文法は正しい順序で勉強すれば、必ず得点源にできます。この記事では勉強の流れから参考書の選び方まで、まとめて解説します。
英文法の勉強を始める前に知っておくこと
英文法はなぜ重要なのか
英文法は英語の全ての土台です。単語を知っていても文法がわからないと文の意味が取れない。文が読めなければ長文も解けない。英作文は言うまでもなく。
「英文法の問題さえ解ければいい」と思っている人もいますが、それも間違いです。英文法は問題を解くためだけでなく、英文を正確に読むための道具です。文法力がない状態でいくら長文を読んでも、感覚読みの域を出ません。
英文法の参考書は2種類ある
英文法の参考書は大きく2種類に分かれます。
インプット系(解説メイン):文法のルールや仕組みを理解するための参考書。「大岩のいちばんはじめの英文法」などが代表例。
アウトプット系(問題演習メイン):理解した文法を問題を通じて定着させるための問題集。「ネクストステージ英文法・語法問題」「英文法・語法ヴィンテージ」などが代表例。
この2種類をセットで使うことが大切です。解説だけ読んでも問題が解けるようにはならない。逆に問題集だけをやっても「なぜそうなるのか」がわからないと応用が利きません。インプット系→アウトプット系の順でやりましょう。
英文法の勉強で多くの受験生がやりがちな失敗
失敗①:問題を解いて答え合わせだけで終わらせる 間違えた問題の答えを確認して「あ、そっちか」で終わる人が多いですが、それでは全く伸びません。「なぜその答えになるのか」を解説で理解してから次に進むことが必須です。
失敗②:アウトプット系問題集を1問ずつ丁寧にやりすぎる 1問に何十分もかけて完璧に理解してから次へ、というやり方は効率が悪い。ある程度のスピードで全体を通して、繰り返すことで定着させましょう。
失敗③:基礎が抜けたまま難しい問題集に手をつける 「志望校がMARCHだから、MARCHレベルの問題集をやらないと」という発想は危険です。基礎が抜けた状態で難しい問題集をやっても消化不良になるだけ。今の実力に合ったものから始めましょう。あと正直、文法問題で難易度差みたいなのはほとんど出ません。難関大の文法問題よりも下のレベルの大学のほうが難しい文法問題が出題されることも全然あります!
英文法の勉強の流れ
英文法の勉強は次の3ステップで進めます。
ステップ1:基礎の理解(インプット)
まずインプット系の参考書で文法のルールを理解します。この段階では「丸暗記」ではなく「なぜそうなるのかを理解する」ことが目標です。
英文法が苦手な人の多くは、中学文法に穴がある状態で高校文法を勉強しています。「大学受験なのに中学文法から?」と思うかもしれませんが、中学文法が固まっていない状態で高校文法を積み上げても崩れます。自分の基礎に不安があれば、まず中学文法から確認し直すことを恐れないでください。
ステップ2:問題演習(アウトプット)
インプットが終わったら、アウトプット系の問題集で演習します。ネクストステージ英文法・語法問題、英文法・語法ヴィンテージ、アップグレード英文法・語法問題の3冊が定番で、どれを選んでも到達できるレベルは大差ありません。(この3冊の選び方は後述します。)
1周目は全体を通して「どこが苦手か」を把握することを目的にしましょう。全問正解できなくて当然です。2周目以降は間違えた問題に絞って繰り返します。
ステップ3:志望校に合わせた仕上げ
基礎が固まったら、志望校のレベルに合わせた仕上げをします。共通テストなら時間配分と問題形式への慣れ、難関私大・国公立なら語法・正誤問題など志望校特有の出題形式への対策が必要です。
レベル別おすすめ英文法参考書
大岩のいちばんはじめの英文法(東進ブックス)
対象レベル:偏差値40〜50 / 英語が苦手・基礎からやり直したい人
英文法の入門書として圧倒的におすすめの1冊です。予備校講師・大岩秀樹先生の授業をそのまま書籍にしたような構成で、説明がとにかくわかりやすい。「英文法の参考書を開いても何を言っているのかわからない」という人が最初に手にすべき本です。
品詞から仮定法まで高校英文法の全分野を網羅していますが、難しい公式を暗記させるのではなく「なぜそうなるのか」を丁寧に解説しているのが特徴。英文法を初めてちゃんと勉強する人にも、基礎を確認し直したい人にも使いやすいです。
こんな人におすすめ
- 偏差値40〜50で英文法を基礎から固めたい人
- 問題集を開いても全然わからない、という人
- 日東駒専・成成明学を目指していて、まず土台を作りたい人
関正生の英文法ポラリス(KADOKAWA)
対象レベル:偏差値50〜70 / 共通テスト〜早慶(レベルによる)
スタディサプリで人気の関正生先生が手がけた英文法問題集で、標準・応用・発展の3レベルに分かれています。
一番の特徴は「丸暗記ではなく理由から理解する」解説スタイル。例えば「進行形にできない動詞は丸暗記」と教える参考書が多い中、ポラリスでは「5秒ごとに中断・再開できない動詞は進行形にできない」という形で、初めて出会う単語にも応用できる理解の仕方を教えてくれます。
また、ネクストステージ英文法・語法問題などと比べて問題数が絞られており(1冊あたり約375問)、周回しやすいのも特徴です。「問題数が多すぎて1周するのに時間がかかりすぎる」という人にはこちらが向いています。(私や私の周りはみんなポラリスを使っていました。解説がわかりやすいので個人的にお勧めです。)
- ポラリス1(標準レベル):共通テスト・日東駒専レベル
- ポラリス2(応用レベル):MARCH・関関同立レベル
- ポラリス3(発展レベル):早慶・難関国公立レベル
こんな人におすすめ
- 理由から納得して覚えたいタイプ
- 問題数が多い参考書が苦手で、サクサク周回したい人
- スタディサプリを使っていて、関先生の授業スタイルが合っている人
注意点 網羅性ではネクストステージ英文法・語法問題などに劣る部分があります。「とにかく全範囲を網羅したい」という場合はそちらが向いています。
ネクストステージ英文法・語法問題 / 英文法・語法ヴィンテージ / アップグレード英文法・語法問題
対象レベル:偏差値50〜65 / 共通テスト〜MARCH・関関同立
この3冊はほぼ同等の内容で、どれを選んでもMARCHレベルまで十分に対応できます。選び方に迷っている人は、書店で実際に手に取って「見やすい」と感じた方を選んでください。それだけで十分です。(学校で配られた場合はそれを使うのが一番効率的。)
強いて違いを言うと以下の通りです。
ネクストステージ英文法・語法問題(桐原書店):収録問題数が多く、問題→解説という構成がシンプル。学校で配布されることが多い定番中の定番。
英文法・語法ヴィンテージ(いいずな書店):問題ごとにチェックボックスがついており、間違えた問題を管理しやすい。レイアウトが見やすく、整理しながら覚えたい人向け。
アップグレード英文法・語法問題(数研出版):解説が充実していてわかりやすいと評判。問題数・難易度・解説のバランスがよく、独学にも向いている。
この段階では、どれか1冊を最低3周することを目標にしましょう。
こんな人におすすめ
- 大岩のいちばんはじめの英文法が終わった人
- 共通テスト・MARCH・関関同立を目指している人
- 偏差値50〜65で網羅的に英文法を固めたい人
スーパー講義 英文法・語法 正誤問題(河合出版)
対象レベル:偏差値65以上 / 早慶・難関国公立
早慶や難関国公立を受ける人向けの仕上げ用問題集です。入試で実際に出題された正誤問題(英文の誤った部分を見つける問題)を集めた問題集で、この形式の問題が多く出る大学を受ける受験生には必須に近い1冊です。
正誤問題は文法をなんとなく覚えているだけでは解けません。「なぜその表現が正しく、なぜ他は間違いなのか」を説明できるレベルまで文法を理解している必要があります。逆に言えば、この問題集をしっかりこなした人は英文法の理解が本物になります。
こんな人におすすめ
- 早慶・難関国公立を目指している人
- ネクストステージ英文法・語法問題などを1冊仕上げた人
- 英文法で他の受験生に差をつけたい人
注意点 基礎が固まっていない状態でやっても意味がありません。必ず網羅系の問題集(ネクストステージなど)を1冊仕上げてから使いましょう。
全解説頻出英文法・語法問題1000(桐原書店)
対象レベル:偏差値65以上 / 早慶・難関国公立
1,000問以上の問題が収録された、ボリューム系の仕上げ問題集です。早慶合格者に人気があり、難関大でよく問われる細かい語法知識まで網羅されています。
スーパー講義 英文法・語法 正誤問題と似た位置づけですが、こちらは正誤問題に特化しておらず4択・整序問題なども含む総合的な問題集。早慶を目指す人はどちらか1冊を選んで仕上げましょう。
こんな人におすすめ
- 早慶レベルの語法まで徹底的に仕上げたい人
- 問題数をこなして英文法を完璧にしたい人
志望校別:参考書の組み合わせ
| 志望校 | インプット | アウトプット(基礎) | アウトプット(仕上げ) |
|---|---|---|---|
| 日東駒専・成成明学 | 大岩のいちばんはじめの英文法、ポラリス1 | ネクストステージ等(Part1〜2中心) | — |
| MARCH・関関同立 | 大岩のいちばんはじめの英文法、ポラリス1、(2) | ネクストステージ等(全範囲) | — |
| 早慶・難関国公立 | 大岩のいちばんはじめの英文法、ポラリス1、2、(3) | ネクストステージ等(全範囲) | スーパー講義 英文法・語法 正誤問題 or 全解説頻出英文法・語法問題1000 |
英文法の効果的な勉強法
「解けた・解けなかった」より「なぜか」が重要
英文法の問題を解くとき、多くの受験生は「合ってた・間違えた」で終わらせます。でもそれでは伸びません。
大事なのは間違えた問題に対して「なぜ間違えたのか」を必ず言語化すること。「なんとなく」「勘で選んだ」が通用しないのが英文法です。自分の言葉で「この選択肢はこのルールに当てはまるから正しい」と説明できるまで解説を読み込みましょう。
1周目は全体を通すことを優先する
アウトプット系の問題集は、1周目から完璧を目指さなくていいです。まず全体を通して「どの分野が苦手か」を把握することを目的にしましょう。
1問1問に時間をかけすぎると、問題集を1周するのに何ヶ月もかかってしまいます。2周目以降に間違えた問題に絞って繰り返す方が、はるかに効率よく定着します。
英文法は長文読解と並行して鍛える
英文法の知識は問題集で覚えるだけでなく、長文読解の中で使うことで本物になります。「この構文はあのルールだ」と意識しながら長文を読む習慣をつけることで、知識が定着するスピードが格段に上がります。
問題集と長文演習を完全に分離して考えず、相互に補強し合う関係だと意識しておきましょう。
語法・イディオムは後回しにしない
語法(動詞の使い方・前置詞との組み合わせなど)やイディオムは、文法問題の中でも難しく後回しにしがちです。でも早慶や難関国公立ではここが差をつけられるポイントになります。
MARCH以上を目指すなら、ネクストステージや英文法・語法ヴィンテージの語法・イディオムのセクションもしっかり仕上げておきましょう。
共通テストの英文法対策
2021年度から共通テストでは、従来のセンター試験にあった独立した文法問題がなくなりました。発音・アクセント・文法の知識を直接問う問題は出なくなり、読解を通じて間接的に文法力が試される形式になっています。
「共通テストだけなら文法はあまりやらなくていいのでは?」と思う人もいますが、それは間違いです。長文を正確に読むためには文法力が必要で、文法がない状態では共通テストの長文でも対応できません。
ただし共通テストのみを受ける場合、難しい語法問題集(スーパー講義 英文法・語法 正誤問題など)まで手を出す必要はありません。ネクストステージ英文法・語法問題などの標準問題集を1冊仕上げれば十分です。
よくある疑問Q&A
Q. ネクストステージ・ヴィンテージ・アップグレード、どれを選べばいい?
どれを選んでも到達できるレベルは大差ありません。書店で実際に手に取って、レイアウトや解説の雰囲気が自分に合うと感じた1冊を選んでください。学校で配られている場合は、それを使うのが一番効率的です。
Q. 英文法はいつから始めればいい?
単語と並行して、できるだけ早い段階から始めましょう。英文法は積み重ねが必要な科目で、一気に詰め込んでも定着しません。高1・高2のうちから少しずつ進めておくと、高3での負担が大きく変わります。
Q. 問題集が全然解けなくて先に進めません
それはインプット不足のサインです。問題集の前に、まずインプット系の参考書(大岩のいちばんはじめの英文法など)で文法のルールを理解することから始めましょう。土台なしに問題を解こうとしても、ただ時間が過ぎるだけです。
Q. 1冊を完璧にしてから次に進む必要がありますか?
正誤率9割以上を目安に仕上げてから次のステップに進むことをおすすめします。7割くらいで次の参考書に移ると、どちらも中途半端になりがちです。1冊を完璧に仕上げることに集中しましょう。
Q. 英文法と英単語、どちらを優先すべき?
どちらか一方に絞る必要はなく、並行して進めましょう。単語を知らないと文法の例文の意味がわからず、文法がなければ単語を使いこなせない。両方をバランスよく積み上げることが大切です。
まとめ
英文法は「なんとなく」から「ちゃんと使える」状態にすることが目標です。
- 偏差値40〜50 → 大岩のいちばんはじめの英文法でインプット
- 偏差値50〜65 → ネクストステージ等のアウトプット系問題集を1冊仕上げる
- 偏差値65以上(早慶・難関国公立) → スーパー講義 英文法・語法 正誤問題 or 全解説頻出英文法・語法問題1000で仕上げ
英文法は地味に感じるかもしれませんが、ここをしっかり固めた人と流した人では長文読解の精度に明確な差が出ます。焦って先に進む前に、まず今の自分の文法力を確認してみてください。
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