共通テスト英語で9割取る勉強法【時間配分・解き方のコツも解説】


共通テスト英語は「英語力」より「情報処理能力」の試験

共通テストの英語が始まって最初に多くの受験生が感じること——「時間が足りない」。

2021年度からスタートした共通テストの英語は、旧センター試験から大きく変わりました。発音・アクセント・文法の独立問題がなくなり、全問が長文読解に。しかも2025年度からはリーディングが8問構成に増え、情報処理の負荷がさらに上がっています。

9割を取るには、英語力だけでなく「限られた時間の中で情報を素早く処理する能力」が問われます。「共通テストは解けるけど、なんか点数が安定しない」という人も多いと思います。その原因のほとんどは、実力不足ではなく時間管理と解き方の問題です。この記事では、共通テスト英語で9割を取るための勉強法・時間配分・解き方のコツをまとめて解説します。


共通テスト英語の基礎知識

試験の構成

共通テストの英語はリーディングとリスニングの2科目で、それぞれ100点満点の合計200点です。

リーディング(100点・80分) 2025年度より大問数が6問から8問に変更されました。配点は年度によって変動します。

以下は令和8年度をもとにした出題傾向です。年度によって形式・内容が変わる可能性があります。最新の情報は大学入試センターの公式サイトをご確認ください。

第1問:テキストメッセージ・短い会話のやり取り

第2問:ウェブサイト・アンケート結果・ユーザーコメントなど

第3問:短編小説(物語文)

第4問:草稿+コメント形式(文章の推敲・修正)

第5問:リーフレット・フォーム・メールなど複数文書の読み比べ

第6問:物語文+アウトライン・穴埋め

第7問:論説文+スライド草稿の穴埋め

第8問:複数の意見文+資料を統合してアウトライン作成

前半(第1〜4問)は比較的短い文章が中心で、後半(第5〜8問)は長めの文章や複数資料の統合が求められます。図・表・イラストもほぼ全大問で使用されており、視覚情報と英文を組み合わせて処理する力が必要です。

リスニング(100点・試験時間60分) 配点は年度によって変動します。

第1問:短い発話を聞いて選択(2回読み)

第2問:短い対話・独話(2回読み)

第3問:やや長い対話・独話(1回読み)

第4問:図表を含む問題(1回読み)

第5問:長めのインタビューや講義(1回読み)

第6問:複数の話者による対話・討論(1回読み)

センター試験からの主な変更点

共通テストになって変わった点を把握しておきましょう。

・発音・アクセント・文法の独立問題がなくなった
・全問が長文読解形式になった
・2025年度からリーディングが8問構成に増加
・複数の文書や資料を統合して考える問題が増えた
・リスニングの配点が100点になった(センター試験では50点だった)

特にリスニングの配点増加は大きな変化です。「英語は読めるからリスニングは後回し」という考えは危険で、リスニングで稼げないと9割には届きません。

9割を取るために必要な英語力の目安

共通テスト英語で9割(180点)を安定して取るためには、おおよそ次のレベルが必要です。

・語彙:システム英単語またはターゲット1900を1冊完全に仕上げている
・文法:ネクストステージ英文法・語法問題などを1冊仕上げている
・読解:英語長文をある程度のスピードで読める
・リスニング:毎日継続して英語を聴いている

「解き方のコツだけ覚えれば点が上がる」という考えは危険です。土台の英語力なしに安定した得点は出ません。逆に上記の状態まで持って行けていれば、全然90点以上取れます。


リーディング対策

共通テストリーディングの特徴

共通テストのリーディングで9割を取るために最も重要なのは「時間管理」です。80分で全8問を解き終えることが大前提です。

前半(第1〜4問)は比較的短い文章が多く、サクサク処理できます。後半(第5〜8問)は長文が続き、配点も高い。前半に時間をかけすぎて後半が時間切れ、というパターンが最もよくある失敗です。

時間配分の目安

あくまで目安です。模試で実際に解きながら自分に合った配分を見つけましょう。

第1問:4分(簡単)

第2問:6分(意外とつまりやすいので注意)

第3問:5分

第4問:5分(簡単)

第5問:12分

第6問:12分

第7問:14分

第8問:16分(後半の中では比較的解きやすい)

見直し:5、6分

合計:80分

「2分ルール」を守る

設定時間を2分以上オーバーしたら、その時点で最善と思う選択肢をマークして次に進みましょう。1問に10分かけるより、後ろの「読めば解ける問題」を確実に取る方が得点は高くなります。損切りの勇気が9割への第一歩です。第4問までで20分を切れていれば十分余裕を持てていると思います。残り60分で最高で残りの4問に平均15分ずつ使えます。後半の大門4つの時間配分はあまり正確に定める必要はありません。得意不得意で自分の好きなように残り時間を配分するといいと思います。

解き方のコツ

コツ①:先に設問を読む 本文を最初から全部読むのではなく、先に設問・選択肢に目を通してから本文を読みましょう。「何を問われているか」を把握した状態で読むことで、必要な情報を効率よく拾えます。

コツ②:スキャニングで根拠を探す 設問のキーワードを本文から探し出す「スキャニング」を意識しましょう。本文を最初から丁寧に読むより、必要な情報だけを素早く見つける練習が大切です。

コツ③:選択肢は「言い換え」を意識する 共通テストの選択肢は、本文の表現をそのまま使わず言い換えてあることがほとんどです。「本文と同じ単語が使われているから正しい」という罠に引っかからないよう注意してください。

コツ④:複数文書は情報の出どころを整理する 第5問・第8問のような複数資料の問題では、「どの文書に書いてあるか」を意識しながら読むと混乱しにくいです。

時間切れになる主な原因と対策

同じ文を何度も読み返してしまう場合は英文解釈の練習不足、知らない単語で止まってしまう場合は語彙力不足が原因です。解き方のコツだけで解決しようとせず、根本的な英語力を上げることが先決です。


リスニング対策

共通テストリスニングの特徴

共通テストのリスニングで特に意識すべきことが2点あります。

第3問以降は全て1回読み:第1問・第2問は2回読まれますが、第3問以降は1回しか読まれません。聞き逃したら取り返しがつかないので、集中力を最後まで切らさないことが最重要です。

図表を見ながら聴く問題が多い:ただ音声を聴くだけでなく、図表と照らし合わせながら情報を処理する必要があります。音声が始まる前に図表に目を通す習慣をつけましょう。

解き方のコツ

コツ①:音声が流れる前に選択肢を確認する 音声が始まる前の時間を使って、選択肢と図表を必ず確認しましょう。「何について問われるか」を把握してから聴くだけで、聞き取れる情報量が大きく変わります。

コツ②:全部聞こうとしない 全ての単語を完璧に聞き取ろうとすると途中で詰まります。設問に関係する情報だけを優先して拾うくらいの感覚でOKです。

コツ③:英語を英語のまま理解する 聴こえた英語を日本語に訳してから答えようとすると絶対に間に合いません。英語を英語の語順のまま理解する練習を日頃から積んでおきましょう。これはリスニングを毎日継続することでしか身につきません。


勉強スケジュール

高3の夏まで:土台作りに集中する

共通テストの形式に慣れる前に、まず英語の土台を固めることが最優先です。単語・文法・英文解釈を高3の夏までにひと通り終わらせておきましょう。

この時期はセンター試験の過去問(2015〜2019年度あたり)を長文練習に使うのも有効です。良質な問題が多く、共通テストの過去問を本番形式のために取っておけます。

高3の9月〜10月:共通テスト形式に慣れる

この時期から共通テスト形式の問題を本格的に解き始めましょう。予備校の予想問題集や過去の模試を活用します。時間を計って解く練習を週1〜2回入れて、時間感覚を身につけていきましょう。新形式の過去問はまだ少ないので、予想問題や模試を活用しましょう。

高3の11月〜本番:過去問演習と弱点補強

共通テストの過去問・追試験をフル活用します。本番と同じ環境(時間・マークシート)で解く練習を繰り返し、弱点の大問を集中的に補強します。リスニングはこの時期も毎日欠かさず続けましょう。直前期にリスニングをやめると耳が鈍ります。


おすすめ参考書

リーディング対策

共通テスト予想問題集(各予備校) 河合塾・Z会・駿台など各予備校から毎年出ています。11月以降に本番形式の演習をする際に活用しましょう。2〜3冊こなすと形式への慣れが格段に上がります。

センター試験の過去問 語数が多く良質な長文が揃っており、読解演習の量を補うのに最適です。共通テストの過去問はまだ年数が少ないので、センターの過去問で読解練習をしておくのがおすすめです。

リスニング対策

共通テスト予想問題集のリスニング音声 形式・難易度・解答時間の感覚を体に染み込ませるために使います。

英語長文ハイパートレーニング(桐原書店)の付属音声 長文読解の参考書ですが、付属音声を使って英語の語順のまま意味を理解する練習にも使えます。


よくある疑問Q&A

Q. リーディングとリスニング、どちらを優先すべきですか?

両方バランスよく対策するのが基本です。ただしリスニングは短期間では伸びにくいため、早めに対策を始めることをおすすめします。リーディングで先行して点数を出しながら、リスニングを毎日継続するのが理想的なバランスです。

Q. リスニングが全然聞き取れません

まず毎日10〜15分英語を聴く習慣を作ることが先決です。いきなり共通テスト形式の問題を解くより、単語帳の音声や英語長文ハイパートレーニングの付属音声を使って、耳を慣らすことから始めましょう。個人的には、洋画を日本語字幕で見ることがお勧めです。息抜きにもなりますしね。

Q. 時間が足りなくて全問解き切れません

単語で止まることが多ければ語彙力不足、構文が取れなくて読み返すことが多ければ英文解釈の練習不足です。根本的な土台を固めつつ、時間配分の練習を積み重ねましょう。長文問題の中には、本文と問題文の間に本文をまとめてくれた図が描かれているものもあり、その大門ではその穴埋め問題が聞かれるので、それを参考に問題を解くとスラスラ解けます。

Q. 共通テストの難易度は毎年同じですか?

年によってばらつきがあります。2024年度はリーディングの平均点が過去最低水準になった年もありました。難しい年でも高得点を出せるよう、形式への慣れだけでなく本物の読解力を鍛えることが大切です。毎年、易化か難化かと騒がれていますが、そんなものの影響を受けないくらいの実力をつけることを目指しましょう。本当の強者はそんな難易度の変化を言い訳にしません。

Q. 共通テストしか英語を使わない場合、どこまで対策すればいい?

システム英単語またはターゲット1900とネクストステージ英文法・語法問題などの標準問題集を1冊仕上げれば、語彙・文法の土台は十分です。難関校向けの語法問題集まで手を出す必要はありません。あとは読解演習とリスニング対策に時間をかけましょう。


まとめ

共通テスト英語で9割を取るために必要なことをまとめます。

・高3の夏まで:単語・文法・英文解釈の土台を固める
・9月〜10月:共通テスト形式の問題を時間を計って解く練習
・11月〜本番:過去問・追試をフル活用、リスニングは毎日継続

英語の土台なしに「解き方のコツ」だけ覚えても、点数は安定しません。まず基礎固めを徹底してから、形式への慣れを積み上げていきましょう。

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