大学受験英語のスケジュール【高1・高2・高3の時期別やること】


「英語、いつ本気でやろう」と思い続けて高3になっていませんか?

受験生と話していると、よく聞くセリフがあります。「英語は後でやろうと思ってたら、気づいたら手遅れになってた」。

笑えないくらいよくあるパターンです。英語は「まあなんとかなるだろう」と後回しにしやすい科目の代表格で、いざ本腰を入れようとしたときには積み重ねる時間がほとんど残っていない、という状況になりやすい。

英語は短期間での爆発的な伸びが効きにくい科目です。単語の暗記、文法の定着、読解力の養成——どれも少しずつ積み上げていくしかない。だからこそ「いつから何をやるか」というスケジュール感が非常に重要になります。

この記事では、高1・高2でやっておくべきことを簡単に触れた上で、メインは高3の「進行度別にやるべきこと」を詳しく解説します。今の自分の状況に合ったところから読んでみてください。


高1・高2でやっておくべきこと

高3になってから基礎に戻るのは、時間的に非常にきつくなります。高1・高2のうちに以下の3つだけは終わらせておきましょう。

①英単語帳を1冊仕上げる システム英単語またはターゲット1900のどちらかを選んで、全体を複数周する。完璧に覚える必要はなく、「ほぼ全部の単語に見覚えがある」状態を目指す。

②文法の網羅系を1冊仕上げる ネクストステージ英文法・語法問題(桐原書店)などを、語法・イディオムのセクションまで含めて一通りこなす。

③英文解釈を1冊終わらせる 肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編(KADOKAWA)など、英文の構造を正確に読む練習をする参考書を1冊やっておく。

この3つができていれば、高3のスタートで一気に長文演習に入れます。逆に言うと、この3つが終わっていない状態で高3を迎えると、演習時間が大きく削られます。実際進学校以外でこれらがちゃんとできてる人は意外と少ないです。私も英単語は夏にようやく仕上がりました。なのでスタートダッシュはきっちりきれるようにしておきましょう。


高3のスケジュール:進行度別にやるべきこと

ここからがこの記事のメインです。一口に「高3」といっても、春から始める人もいれば夏から本腰を入れる人もいる。大切なのは「今の自分がどの状態にいるか」を正確に把握して、そこに合ったことをやることです。

まず自分の状況を確認してください。


ケース①:高3春の時点で単語・文法が固まっていない人

該当する人の特徴

  • 単語帳を1冊通していない
  • 文法問題集をほとんどやっていない
  • 偏差値が模試で50を下回っている

このケースが、実は高3受験生の中でもっとも多いパターンです。「もう高3だから単語・文法は飛ばして長文からやります」という人を見かけますが、それは最もやってはいけない選択です。土台のない長文演習はただ時間が過ぎるだけで、成績は上がりません。

春(4月〜6月)にやること

  • 単語帳を毎日100語ペースで進め、夏前に1周させる
  • 文法は大岩のいちばんはじめの英文法(ナガセ)から始め、網羅系(ネクストステージ等)に移行する
  • 文法と並行して単語を毎日続ける

夏休みにやること

  • 単語帳を繰り返しながら定着させる(2〜3周を目標)
  • 英文解釈を1冊進める(肘井学 必修編)
  • 夏の終わりに長文問題集の易しいもの(英語長文ハイパートレーニング レベル1〜2)を始める

秋以降にやること

  • 長文演習を週3〜5本のペースで継続
  • 志望校の過去問に触れる(傾向把握が目的)
  • 共通テスト形式の問題に慣れる

このケースは正直、時間との戦いです。日東駒専・成成明学レベルを目指すなら十分間に合います。MARCHを狙うなら春の時点で覚悟を決めて、英語に最大限の時間を割くことが必要です。


ケース②:高3春の時点で単語・文法は固まっているが長文が苦手な人

該当する人の特徴

  • 単語帳は1冊仕上げている
  • 文法問題集は一通りやった
  • 長文を読むと時間がかかる、または内容がつかめない
  • 偏差値は模試で50〜58あたり

このパターンの人は「英文解釈」が抜けているケースがほとんどです。単語と文法は知っているのに長文が読めない——この原因は、英文を正確に構造把握する力がないことです。

春(4月〜6月)にやること

  • 英文解釈を1冊きちんとやる(肘井学 必修編。MARCH以上を目指すなら、その後ポレポレ英文読解プロセス50(代々木ライブラリー)も視野に)
  • 単語帳の周回は毎日続ける
  • 英文解釈と並行して、やさしめの長文(英語長文ハイパートレーニング レベル2あたり)を週2〜3本読む

夏休みにやること

  • 英文解釈を仕上げ、長文演習を本格化させる(週5〜6本)
  • 英語長文ポラリス1〜2(KADOKAWA)など、志望校レベルに合わせた問題集に移行
  • 志望校の過去問を3年分解き、傾向と弱点を把握する

秋以降にやること

  • 過去問演習を中心に据え、週2〜3年分のペースで解く
  • 過去問で浮き彫りになった弱点(語彙不足・特定の問題形式)を集中補強
  • 共通テスト対策も並行して進める

このケースは夏の過ごし方が勝負です。英文解釈を夏前に仕上げて演習量を稼げれば、MARCH〜難関私大も十分狙える状態になります。


ケース③:高3春の時点で単語・文法・英文解釈まで固まっている人

該当する人の特徴

  • 単語帳を複数周している
  • 文法・英文解釈まで終わっている
  • 長文をある程度読めるが、速度・精度に課題がある
  • 偏差値は模試で58以上

このケースの人は、春から演習に入れる恵まれた状態です。ただし「基礎ができているから大丈夫」と油断すると、演習量の不足で伸び悩みます。

春(4月〜6月)にやること

  • 長文演習を週5本以上のペースでこなす
  • 志望校の過去問を1〜2年分解いて傾向を把握する
  • MARCH以上を目指すなら英検準1級 単熟語EXで語彙を強化し始める

夏休みにやること

  • 長文演習を週7本以上に増やす
  • 志望校の過去問を5年分本番形式で解く
  • 早慶志望はやっておきたい英語長文700(河合出版)や英語長文ポラリス3(KADOKAWA)など難度の高い問題集に入る

秋以降にやること

  • 過去問を中心に、残りの年度をすべて解き切る
  • 弱点分野の補強に参考書を使う(新しい参考書は買わない)
  • 共通テスト・センター過去問で時間内に解く練習を重ねる

このケースは「量をこなすこと」と「過去問の分析精度を上げること」が秋以降の鍵になります。偏差値が高くても過去問を分析せずに本番を迎えると、形式への対応で点を落とすことがあります。


共通して守るべき3つのこと

ケースに関わらず、以下の3つは全員に共通して大切なことです。

①単語の復習は毎日止めない 単語帳を1周終えた後も、毎日10〜15分で構わないので触れ続ける。止めると急速に忘れます。

②長文は解いた後の復習を丁寧にやる 全訳を確認して、読めなかった文の構造を分析して、音読までやる。この復習を省くと、問題数をこなしても実力がつきません。

③新しい参考書を買いすぎない 「もっといい参考書があるんじゃないか」と感じたら、今の参考書の正答率を確認してください。8割を超えていれば乗り換えを検討してもいいですが、それ未満なら今の参考書を続けましょう。参考書を変えるたびに最初からやり直しになります。


よくある疑問Q&A

Q. 高3の夏から英語を始めても間に合いますか?

志望校によります。日東駒専・成成明学レベルであれば、夏から正しい順番で毎日続ければ十分間に合います。MARCHを狙うなら、夏の間に基礎(単語・文法・英文解釈)を一気に仕上げる必要があり、かなりハードです。早慶は夏スタートだとかなり厳しいと言わざるを得ません。

Q. 英語と他の科目のバランスはどうすればいいですか?

英語は積み上げに時間がかかるので、他の科目と比べて早い段階から一定の時間を確保し続けることが大切です。ただし高3の後半(秋以降)は苦手科目の補強も必要になるため、英語だけに時間を割き続けるのも禁物です。秋以降は「英語の維持」と「他科目の強化」をバランスよく進めましょう。

Q. 過去問はいつから始めればいいですか?

志望校の過去問を「傾向把握のために1年分だけ見る」なら、高3の春〜夏休み前でも構いません。本格的な演習(時間を計って解いて、採点して分析する)は夏休み以降が目安です。基礎が固まる前に過去問演習をしても、「難しくて解けない」という経験だけが残り、あまり意味がありません。

Q. 模試の結果が悪くてモチベーションが上がりません

英語の偏差値は、インプットがある程度たまったタイミングで急に上がることが多いです。コツコツやっているのに模試の結果に反映されない時期は、誰にでもあります。「今やっていることは必ず後で効いてくる」と信じて続けることが、最終的に結果を出す人の共通点です。

Q. リスニングはいつから対策すればいいですか?

共通テストの比重が高い人は、高3の秋から集中的にやれば間に合います。それまでは単語帳の音声を聴くなど、英語の音に慣れる程度で十分です。私大でリスニングが出ない学校を受ける人は、他の領域が固まってからで問題ありません。


まとめ

英語の受験スケジュールで大切なことは、「全員に共通の正解があるわけではない」ということです。今の自分の状態を正確に把握して、そこに合った優先順位で動くことが最も効率的です。

高3の春に単語・文法が固まっていない人は、焦らず基礎から積み上げる。長文が苦手な人は英文解釈を飛ばさない。すでに基礎ができている人は演習量を稼ぐことに集中する。

どのケースであっても、今日始めた人が有利です。この記事を読んだ今日から、まず1つだけやることを決めて動き出してみてください。

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